インドを脱出! ネパールはポカラへ
さて、インドはバラナシである。バラナシの次はデリーに行き、そこから飛行機でネパールはカトマンズまで行く予定でいた。しかし、調べてみるとデリーからカトマンズへの飛行機は意外と高かった。『地球の歩き方』の情報ではバラナシからカトマンズ、ポカラまでのツアーバスがあるようだ。運賃も700インドルピー(約1,400円)と安かった。早くインドを出たいという気持ちもあり、次はネパールはポカラへ行く事にした。
ガートの観光(7月12日)を終え、イシイさんとは別れて一人でバラナシ駅へ向う。ネパール行きのバスを扱う会社のオフィスはバラナシ駅近くのツーリストバンガローの近くにあるらしい。イシイさんはこの後、マザーハウスのボランティアの受付に行くとの事だった。とても活動的な方です。
バラナシ駅までは約4kmほどだ。歩いて1時間もあれば行けるはずだったが、バラナシの道はリクシャとクルマと人と牛で溢れていた。少し動くと人とぶつかる。すぐ横をリクシャが横切る。何度もリクシャに轢かれそうになった。クラクションが鳴り響き、とても神経と体力を使った。
少しの隙間があればリクシャが間に入り込む。道は詰まり渋滞となる。インド人より牛の方が交通ルールを守れているように思えた。
バラナシ駅に着く頃にはほどほど疲れ切ってしまっていた。バラナシ駅の前にもプリペイドリクシャ乗り場がある。イシイさんは確か「バラナシ駅がらは宿までの運賃は95ルピー(約190円)だった」と言ってたっけ、帰りはオートリクシャに乗って帰ろう。
駅前をうろついていると、「リクシャ?!」とすぐ声を掛けられた。「今、着いた所だ!」と怒鳴りたくなるがグッとこらえる。「ツーリストバンガローの場所を知らないか?」オートリクシャのおっちゃんに尋ねてみた。ツーリストバンガローは外国人向けにインド政府が提供している宿との事だ。駅の近くのはずなのだが見つける事が出来ずにいた。
すると、おっちゃんは待ってましたとばかり「安い宿を知っている。紹介するからリクシャの乗って!」とオートリクシャに乗せようとしてくる。「別に宿を探してるわけじゃないんだ。ツーリストバンガローを探しているんだ。」と言うがどうも上手く伝わらない。「だから、宿を探しているんだろ? だったら安い宿を紹介するよ!」
ここは強い口調でお願いしてみた。「ツーリストバンガローを探している!場所を教えてくれ!」ようやく趣旨が伝わったのかは分からないが、場所を教えてくれた。ツーリストバンガローは駅から出て左手の少し路地に入った所にあった。ここからツアーバスの会社を探す。
「地球の歩き方」には「Parade Kothi」と「Nepal Tours」の二つのツアーバスの会社が紹介されていた。「Nepal Tours」はすぐに見つかったが日曜日だったせいか会社のオフィスは閉まっていた。めげずにもう一方の会社をを探す。しかし、これがまた見つからない。人に聞いて回っていると「Parade Kothi」とは会社名などではなく、この地域一帯を指す名前らしい。こりゃ駄目だ、と諦めかけていると「案内するよ!」と言うおっちゃんが現れた。どうも「地球の歩き方」に載っている会社とは別にツアーバスの代理店があるようだ。
連れて来られたオフィスは机が一つだけ置いてある小さく薄汚い部屋だった。ネパールまでのバスの運賃を聞くと1,400インドルピー(約2,800円)との事だ。「地球の歩き方」に乗っていた値段より随分と高い。自力で行った方が安いのではないか?
自力での行き方も調べてある。まずバラナシからゴーラクプルまで列車で行き、そこからバスに乗り換えネパールとの国境スノウリまで行く。歩いて国境を越え、国境からはカトマンズ、ポカラまでのバスが出ているとの事だ。ちょっと自力で行ってみるか! バスのチケットは買わず、ゴーラクプル行きの列車のチケットを買いにバラナシ駅へ戻った。
バラナシ駅の外国人専用チケット売場は駅の中にあった。分かりやすくていい。どこの駅も、駅の中に作ってくれれば苦労しないのだが、それをしないのがインドなのだ。しかし、外国人専用チケット売場はすでに閉まっていた。日曜日は午後2時までのようだ(平日は午後8時まで)。仕方なくオートリクシャに乗って宿に戻る。この後、イシイさんとプジャーを見に行く約束がある。運賃はイシイさんの言う通り95ルピーでした。結局、バスも列車のチケットも買うことが出来なかった。何しにバラナシ駅で行ったのか?(続きは次のページ)