仏教の聖地、ブッタガヤへ
ハウラー駅に着いたのは午後7時10分頃だった。外は暗くなっている。「チャチャーン!」とファンファーレが鳴り響き、列車の発車時刻のアナウンスが流れる。英語でのアナウンスなのだが聞き取れない。「チャチャーン!」しか耳には残らない。
列車の発車時刻までは1時間以上あった。電光掲示板を見て列車の到着プラットホームを確認する。まだ電光掲示板には僕の乗る列車の案内はなかった。しばらく待つ。列車の到着ホームは一応決まってはいるようだがコロコロ変わるらしい。30分ほど待つと、ようやく僕の乗る列車の案内が表示された。8番ホームだ。
8番ホームにはすでに列車が停まっていた。今回もエアコン付きの寝台車両だ。エアコン付きの寝台車両の入口には乗客リストの紙が貼られている。そのリストにはご丁寧に乗客の名前、性別、年齢、乗車駅と下車駅まで書かれてあった。プライバシーもあったものじゃない。中に乗り込むと僕の席にはすでに4人の男性が座っていた。楽しそうに談笑している。
エアコン付きの寝台車両は、二段ベッドが二台の四人一部屋なので、一人は寝台チケットを持たない偽者だ。指定席のチケットを持たないのに平然と指定席に座っている奴がいる。これがインドの列車なのだ。しかし、ここはエアコン付きの寝台車両だ。他の車両とは違いチェックが厳しいはず。まだ、寝るには少し早い時間だし、仲間同士、ここに集まって話をしているのだろう。眠くなれば自分の席に戻るだろう・・・と思っていた。
列車は発車時刻になると発車した。当たり前だが、インドの列車はよく遅れるのである。ガヤ駅には朝4時55分に到着予定なので遅れてくれないかと思っていたのだが、残念な事に発車時刻に発車してしまった。
四人の男達はいっこうに寝る気配を見せなかった。そろそろ横になりたい。時刻は夜の9時になろうとしていた。そうこうしていると、その四人の内の二人が列車から降りてしまった。どうも偽者は一人ではなかったようだ。次の駅ではまた一人、列車から降りた。コイツも偽者だったようだ。そして最後に残った一人も・・・ 次の次の駅で列車から降りた。四人すべてが偽者でした。正規の寝台チケットを持った乗客はこの後の駅でチラホラと乗ってきた。
つまり、こういう事だ。エアコン付きの寝台列車の入口には乗客リストが貼ってある。そこには乗客が乗ってくる乗車駅まで書いてある。どの席の、どの客が、どこの駅で乗ってくるのかがすべて分かってしまうのだ。男達は自分が降りる駅の後に乗ってきる客の席を見つけて座っていたのである(たぶん)。実にあざといインド人達である。ようやく横になれたのは10時を過ぎた頃だった。
スマホの目覚ましが鳴る。朝は4時である。インドの列車は駅に着いてもアナウンスがない。自分で降車駅を確認して降りなければならない。タブレットのグーグルマップで現在地を確認するとガヤ駅はもうすぐそこだった。どうやら時間どうりに運行されているようだ。荷物を整理して降りる準備をする。
駅に着いたのは午前4時55分より前でした。遅れるどころか予定より早い! 駅に降りると朝早いのにすでに人でいっぱいでした。
駅の外ではインド人がゴロゴロ寝てた。オートリクシャのおっちゃん達も元気だ。「ボッドガヤ、ボッドガヤ!」と呼び込みをしている。そんなオートリクシャ達を振り切って、向かいの食堂へ入った。
朝食はすっかりお気に入りとなったチャパティとカレーです。これで10ルピーでした。コルカタで食べたチャパティはアツアツで美味しかったが、ここのは・・・ う~ん、って感じでした。(続きは次のページ)