中山道リベンジ3日目 下諏訪宿(しもすわしゅく)、岩村田宿(いわむらだしゅく)、東横イン佐久平駅浅間口
リベンジ3日目は塩尻駅近くのホテル中村屋からスタート。今日は下諏訪宿(しもすわしゅく)から岩村田宿(いわむらだしゅく)間の約63kmを走る予定だったが・・・ (動画 – YouTube)
6時30分、ホテルをスタート。朝食はコンビニのパンで簡単に済ませた。少し早めにホテルを出る。今日の走行距離は約63kmと大した距離ではないのだが、塩尻峠、和田峠の峠越えを控えていて少し不安だったためだ。中山道は山の中。木曽路は抜けたとはいえアップダウンが多く、道は険しい。午前中に和田峠を越えれればと思っていたのだが・・・
ものの数分だった。自転車の後輪がパコパコいいだす。パンクだった。まだ、数メートルしか走っていない。昨日はホテルのエントランスに自転車を置かせてもらっていた。その時、鍵をかけたときは異常はなかった。朝、この数分の間にパンクしてしまったようだ。さあ、大変だ!
まだ朝は6時40分。自転車屋さんもホームセンターも開いていない。完全に途方に暮れてしまった。とりあえず応急処置としてパンク対策で買っていたパンク修理剤をタイヤに注入する。空気も同時に入り、なんとか走行は可能になった。しかし、これでどれだけ走る事ができるのか? 塩尻駅周辺で自転車屋を探す。店が開くまで時間があるのでネットカフェで時間を潰そうと思い、ネカフェを探すが・・・ 駅の近くにはないみたいだった。さて、どうしたものか?
散々、悩んだ結果。ここでひとつの決断を下す。
「下諏訪駅まで行こう!」
ここから下諏訪宿までは約12km程度だ。「パンク修理剤はあくまで応急処置だ」と聞いていたが、塩尻駅周辺を少し走った結果、タイヤから空気が抜けてる感じはなかった。約12km程度だったら、何とかもつのではなかろうか? 何やかんやで時間は午前8時。ちょうど下諏訪駅につく頃には自転車屋も開いてるだろう。
塩尻宿を8時にスタート。塩尻峠の道は舗装されており走りやすかった。後輪のパンクが気になるが・・・
市史跡 東山一里塚
登り切ったところに茶屋本陣と明治天皇塩尻嶺御膳水の碑。
塩尻峠の頂上。展望台が見える。ここからは急降下の下り坂だ。
諏訪湖が見えた。天気が悪く残念ながら絶景とはいかなかった。
急な坂を下り、峠から市街地へと入っていく。旧中山道が下諏訪バイパスと交差する手前で男性の旅人と出会う。歩いて中山道を旅しているらしく、同じガイド本を持っていた。挨拶すると「この先、峠の登り口ですか?」と聞かれた。「そこの道を入った所から登りですよ。登り切ったところに茶屋本陣がありますよ。」と答えると「え?、茶屋本陣ならさっき見てきたよ。明治天皇御小休所の碑もあったし・・・」と返された。おかしい。そんなハズは無いのだが・・・
ここからは下り坂だ。スピードも出て一気に下諏訪の町へと入っていく。魁塚(さきがけづか)を過ぎ、下諏訪駅へ向かう。とりあえず自転車のパンクを修理しなければならない。
午前9時40分、下諏訪駅に到着。スマホで近くの自転車屋を検索する。すると、駅のすぐ近くに「中島輪店」が見つかった。行ってみると「HONDA」の看板が・・・ バイク屋さんか? いや、普通の自転車屋さんでした。これでパンクが修理できるぞ!
パンク修理の図。チューブに開いた穴から、空気と一緒に白いパンク修理剤の液体が漏れている。タイヤとチューブが密着することでパンク修理剤が穴を塞ぎ空気が漏れなくなるんだそうだ。だが、これ以上の大きな穴だとパンク修理剤の効果はないとの事だった。
午前10時20分、自転車完全復活。再スタートと行きたいが、この先、和田峠の峠越えが控えている。そして何より中山道はここ下諏訪宿からJR中央本線から離れるのである。ここまで中山道はほぼJR中央本線に沿って走っていた。いざとなれば電車に乗って移動するという裏技が使えたのだ。すでに予定より約2時間遅れているうえ、峠越えに裏技が使えない。明るいうちにホテルまで辿り着けるだろうか? 不安になる。すでにパンクで意気消沈していた「ここから輪行で岩村田駅まで行っちゃうか?!」
まずは、下諏訪宿を散策する。
下諏訪宿は中山道と甲州道中の合流の地。この先、JR中央本線は甲州道中に沿っている。
下諏訪宿本陣と明治天皇御小休所の碑。宿場の手前で出会った旅人の言ってた「茶屋本陣と御小休所の碑」ってのは、この事だったのでは・・・と、この時は思った。後で調べてみるとガイド本で茶屋本陣となっていたのは「今井家小休本陣跡(茶屋本陣)」のことだった。別に茶屋本陣がもう一軒あったのだ。下り坂を一気にカッ下ったため気づかなかったようだ。
下諏訪宿は中山道69宿のうちで唯一の温泉場。諏訪大社下社の門前町でもある。
和田峠と諏訪大社下社(春宮)の分かれ道。さて、どうしようか?
諏訪大社下社(春宮)
岡本太郎も驚嘆した万治の石仏
下諏訪駅まで戻る。時間は午前11時を回っていた。明るい中にホテルまで行ける自信がなかった。やっぱ、輪行で岩村田駅まで行っちゃおう。今日は下諏訪宿と岩村田宿のみだ。
下諏訪駅の路線図のボードを眺める。しかし、目的地の岩村田駅の文字が見つからなかった。どうやって行くのだろう? 駅の窓口で駅員さんに聞いてみると「甲府行きに乗り、小渕沢駅で小海線に乗り換えですね。」との事だった。小海線は運行本数が少なく、乗り遅れると次の電車までかなり待たなければならない。下諏訪→岩村田の運賃1,890円也。刈谷→南木曽と同じ値段だった。高い・・・
12:29 甲府行きに乗る。ホームで待っていると「3分ほど遅れています」とのアナウンスが流れる。小渕沢駅での乗り継ぎの時間は7分だった。3分遅れてるって事は乗り継ぎの時間が4分になってしまう。すぐ隣のホームだったらいいが、自転車をかかえての階段の登り下りの乗り継ぎだと4分はキツイ。着いたらすぐに移動だ!・・・しかし、小渕沢駅には定刻に着いた。さすが日本の電車は時間に正確だ。
小渕沢駅に着くと多くの乗客が電車を降りた。ゾロゾロと移動を開始する。そして、小海線のホームへ。止まっていた電車にほぼすべての人がなだれ込んだ。2両編成の電車はたちまち満員となってしまった。うそ~、何でこんな田舎の電車がこんなに混んでいるんだ?!
13:14 小渕沢駅発。これに乗り遅れると15:05まで電車がない。外を見ると最初の踏切に二人ほどカメラを構えた人の姿が見えた。どうやら鉄道ファンに人気の路線らしい。そして車内にアナウンスが流れる。「・・・JR線では日本一高い場所を走る高原電車で・・・」なるほど一種の観光電車なんだな! 乗客のほとんどはカメラを片手に車窓を眺めている。しかし、こんなに混むのに2両編成はないよな! 身動きが取れないほどの満員だった。
しかも、「なお、駅員のいない駅では2両目のドアは開きません。」
なぬ! 電車から降りるには1両目に移動しなけばならないのか。こういうところは田舎の路線らしい。しかし、通路にも人がひしめき合っているのにどうやって1両目に移動するんだ。
13:47 野辺山駅着。野辺山駅では2両目のドアも開いた。乗客がゾロゾロと降りていく。電車の席が空く。JR野辺山駅はJR線では最高地にある駅らしい。多くの乗客の目当てはこの駅のようだった。5分停車するとの事でホームに下りて記念撮影をする。
ようやく席が空いた。背もたれには萌え~なキャラクターが描かれている。
15:14 岩村田駅着。岩村田宿へ・・・
宿場の面影は残っていないが、商店街には昭和の雰囲気が漂う。
中山道から少し離れ、佐久平駅近くのホテル、東横イン佐久平駅浅間口へ向かう。今日はこれにて終了。
注)この記事は中山道自転車の旅から帰った後に書いております。