みちしるべ2

元トヨタ期間工が田舎でゲストハウスを経営!日本でゲストハウスは馴染まないのか?

甲州自転車道中 4日目(甲府柳町宿~中山道・下諏訪宿)

     甲州自転車道中

甲州街道を自転車で走る旅は本日が最終日となります。昨日はなんとか晴れてくれた天気も、今日は午後から雨となりそうです。甲州街道のゴールとなる中山道の下諏訪宿までは約80km強です。あまり急ぐ必要はないが雨が心配だ。降りだす前に距離を稼いでおくぞ!

甲府柳町宿~韮崎宿
甲府柳町宿~韮崎宿

7:07 しかし、いきなり道を間違えてしまった。甲府市内のホテルを出て中心市街地を抜けていく。僕はこの市街地が苦手だ。道路が入り組んでいて道が分かりずらいからだ。それに加えて甲府市内の街道は、城の防衛のためにカクカクと曲がる曲尺手(かねんて)という構造をとっている。目印となるはずの甲府柳町宿の本陣跡、問屋場跡も見つけられず・・・ 市街地を抜けた先で道を間違えてしまった。だいぶ時間をロスしたぞ!

竜王新町交差点

(1)7:58 国道52号の美術館通りを走り、竜王新町交差点より右に曲がる。少し行くと急に赤坂という登り坂となる。ここから登り? と思ったが、すぐに国道20号の横まで下る。が、国道には入らず塩崎駅方向へ。


甲斐市へ 韮崎宿への街道 甲斐市マンホール
甲府市から甲斐市に突入。韮崎宿(にらさきしゅく)へ。

(2)8:45 韮崎宿の道は綺麗な町並みだった。走りやすかったせいか気づくと宿場を抜けていた。甲州街道の宿場は小さいものが多い。韮崎の町を抜けると国道20号に合流する。ここから台ヶ原宿の手前までは、ガイド本の地図がゴッソリと省かれていて道が分からない。仕方なく国道を走る事にした。

台ヶ原宿周辺
台ヶ原宿周辺

時おり雨も落ちてきた。雨が本降りになる前に出来るだけ先に進んでおこう! 国道20号は交通量も多く単調な道を1時間ほど走る。

甲州街道古道入口の碑 横山の道標 「はらぢみち」の古道

(3)9:59 甲州街道古道入口の碑。ここまで一気に国道を走ってきた。「はらぢみち」と呼ばれる古道に入っていく。すぐに横山の道標。その先、ぶどう園の中を抜けて川沿いを歩き舗装された道に出る。古道沿いには地蔵像も見られ街道らしい雰囲気だ。

台ヶ原宿への入口 甲斐駒ヶ嶽マンホール

(4)10:13 古道から国道20号に出る。甲州街道は国道を突っ切って台ヶ原宿の中心へと続いている。ここからは甲州街道は国道20号の横を付かず離れず伸びているようだ。

台ヶ原宿本陣屋敷跡
(5)10:15 すぐに台ヶ原宿本陣屋敷跡。宿場の中心へ。

造り酒屋北原家 明治天皇菅原行在所の碑

台ヶ原宿の街道沿いには「七賢」の看板が掛かった造り酒屋北原家ほか、白壁の古民家や造り酒屋が並び風情のある町並みだ。これまでの甲州街道の宿場には観光客の姿は見られなかったが、ここ台ヶ原宿では、警備員がクルマの誘導をしていたりと大変な賑わいを見せていた。お酒の力は偉大である。

和菓子の金精軒
七賢の斜め前に和菓子の金精軒。ここが信玄餅の元祖だそうだ。

教来石宿~富士見駅辺り
教来石宿~富士見駅辺り

(6)台ヶ原宿を抜け、街道らしい田舎の道を進み、前沢上交差点で国道20号に合流する。この先500mほどで甲州街道は国道と分かれるが、そのまま国道を進んでしまった。少し走ると道路が渋滞していた。お盆だからか? こんな所でも帰省ラッシュが・・・と思ったら、この先にサントリーの工場があって、クルマの渋滞はその工場の中から伸びていた。サントリーウイスキー博物館があるらしい。やっぱり、お酒の力は偉大である。

鳳来郵便から右へ 諏訪神社本殿

(7)11:07 鳳来郵便局から右へ。国道を挟んで向かいには変わった交番が建っている。すぐに諏訪神社本殿。この先、甲州街道は右手に田んぼが広がる田舎の道だ。ここらが教来石宿か?

山口関所跡 西番所跡碑

(8)11:21 道は下り坂となり下り切ったところに山口関所跡と西番所跡碑が建っている。ポツリポツリと雨が落ちてきた。いよいよきたか!

甲州街道は長野県へ 道の駅「信州蔦木宿」

(9)11:25 国道20号に出る。すぐに釜無川にかかる新国界橋。ここが長野県と山梨県の県境となる。橋を渡ると長野県の標識が現れた。さようなら山梨県。しばらく走ると道の駅「信州蔦木宿(つたきしゅく)」。

蔦木宿の入口

(10)11:39 道の駅から少し行くと蔦木宿の入口。この先に少し集落があるがすぐに宿場を抜け国道20号に出る。蔦木宿~金沢宿~上諏訪宿の甲州街道は国道とは別の道になるみたいだが、ここでもガイド本の地図がゴッソリと省かれていて道が分からん! 金沢宿の情報はまったく載っていない。駄目だ、このガイド本。ここからはひたすら国道20号を走る。

雨がだんだん強くなってくる。国道20号はグニャっと曲がる峠らしい道となり、登りも少しきつくなってきた。トラックがバンバン走り交通量も多くて神経をつかう。それほど急な登り坂でもないが雨の中を走ると疲れは何倍にもなる。雨とクルマからの水しぶきで服はビショ濡れ、心が折れそうだ。今日は峠越えはないと思っていたのに・・・

富士見町マンホール 軒先のツバメの巣

(11)12:30 富士見駅の近くまで登る。雨はドシャ降りとなる。リックを背負った人の姿がチラホラと見られた。入笠山への登山者らしく、ハイキングコースがあるみたいだが、この雨の中、登るのだろうか? いや、ここまで自転車で来る方がおかしいよな。少し行ったセブンイレブンで雨宿りと休憩をする。コンビニの軒先にはツバメが巣を作っていた。ここからは下りだ。茅野へと一気に下っていく。

茅野市~下諏訪宿
茅野市~下諏訪宿

だんだん雨は小降りとなってきた。坂を下りきると、坂室トンネルの手前で国道20号は坂室バイパスと旧道に分かれる。甲州街道は旧道を行き、さらにその先で国道と分かれ茅野の町中を抜けていく。雨が止んだ、ヨシ、もう一息だ! 甲州街道の最後の宿場となる上諏訪宿へ。

三叉路の道標と常夜灯 上諏訪宿への街道

(12)国道20号に戻って茅野郵便局から右に入る。少し登った三叉路に道標と常夜灯。街道らしい雰囲気が残る道を20分ほど走り再び国道に戻る。上諏訪駅の手前を右へ入った辺りが上諏訪宿だ。

上諏訪駅 甲州道中五十二里塚

(13)14:24 そのまま国道20号を走り上諏訪駅へ。駅前は人もクルマも多かった。駅の前から右に曲がり甲州街道に戻る。戻ってすぐに一里塚跡の碑。国道と違い落ち着いた町並みが続き、道は少し登っている。

下諏訪宿への街道からの諏訪湖

(14)甲州街道は国道20号より少し高いところを走っていた。左には諏訪湖が見えるが残念ながら空は曇りキレイな景色とはいかなかった。

下諏訪宿手前の茶屋

(15)街道沿いには古い民家も残り宿場の雰囲気を大いに感じることができる。下諏訪宿までもうすぐだ。「日本中で1番緑にかこまれて幸せそうなエコポスト」との案内が目に入った。ふと左を見ると・・・

郵便ポスト「元気もりぞう」 エコポストの案内

ガチャピン? いや、ムックか? 緑に囲まれてポストが立っていた。名前は「元気もりぞう」です。雨で霞んだ諏訪湖を横に10分ほど走ると・・・

諏訪大社下社秋宮前

(16)15:00 いきなり人混みが目に入ってきた。え?ここに出たのか!右手に諏訪大社の鳥居が見えた。ついに来た!下諏訪宿だ!いつの間にか甲州道中と中山道との合流地、下諏訪宿に着いてしまっていた。

下諏訪宿本陣 合流地点の道しるべ

本陣跡と合流地の道標。甲州道中は中山道との合流して終点をむかえる。この雨の中、ほぼ昔の街道をなぞり走る事が出来たと思う。甲州道中完全走破だ!

下諏訪宿~岡谷駅周辺
下諏訪宿~岡谷駅周辺

さて、下諏訪宿の散策と行きたいが雨が心配だ。依然、空は曇っていて今にも雨が降りだしそうだった。仕方なく、今日は散策をやめて明日にすることにする。下諏訪は温泉町としても有名でお盆のこの時期はホテルを取るのも難しい。ホテルは下諏訪では取る事ができず、お隣の岡谷市まで行くことになった。

(17)ホテルへ向う途中で雨が強く降りだした。散策を明日に延期して大正解だ。岡谷駅近くまで来ると道はすごい人で埋め尽くされていた。露店もたくさん並んで賑やかだ。何事かと思ったらお祭りをやっているようだ。人混みを掻き分け、なんとかホテルに辿り着いた。もう、全身びしょ濡れだ! コインランドリーで洗濯したら太鼓の音色に誘われ外に出る。

岡谷太鼓まつり

岡谷太鼓まつり。さすがに疲れていたので、少しブラブラしたら食事をしてホテルに戻る。明日は以前、走ることが出来なかった中山道の区間を走る予定だ。しかし、天気予報を確認すると明日は降水確率が50%となっていた。この旅の目的である甲州道中は走破できた。もし、雨なら下諏訪駅から輪行して帰るとするか。中山道はまたの機会に・・・

注)この記事は甲州道中の自転車旅から帰った後に書いております。

 - 甲州自転車道中