みちしるべ2

元トヨタ期間工が田舎でゲストハウスを経営!日本でゲストハウスは馴染まないのか?

ゲストハウスの改築工事スタート

     店主のボヤキ

先週からゲストハウスの改装工事が始まりました。本当はもう少し前に始められる予定だったのだけど、消防法の規定に一部、引っかかっておりまして、なかなか工事が始められなかったのです。

消防法に適合させるには、2階に上がる階段まわりを防火構造にしなければならないらしく、1階と2階にそれぞれ防火扉を設置しなければならないみたいな事で、もめておりました。防火扉は鋼製の扉で既製品がないらしく、特注になるため値段がベラボウに高くなる。それを二つも設置しなければならないときた。何とか1つで、すまないかと、建築士さんに頑張ってもらっていました。そして、ようやく先週、建築基準法、消防法、旅館業法、すべてクリアできる見込みが立ったので、改築工事がスタートとなったわけです。防火扉は、めでたく1つでOKとの事です。建築士さん、グッド、ジョブです。

それにしても規制が多すぎます。開業予算も当初の予定を大きく越えてしまいました。そもそも、購入物件は準耐火建造物だったので、そんなにコストはかからないだろうとの事だったのに・・・。このコスト増は想定外です。結局、建物の用途変更には改築費含め100万円ぐらい費やすことになります。防火扉の他にも、いくつかご指摘をもらいました。消化器は1階と2階に一つずつ必要だとか、カーテンは防炎カーテンにするようにとか。もうガンジガラメです。

建築士さんが言うには、消防法は規制強化の方向にあるようです。「以前は、こんなに規制はキツくなかった」らしく、建築士さんにとってもこのコスト増は想定外だったようです。旅館業法は規制緩和の方向にあるのですが、消防法の規制が厳しくなったら、ゲストハウスもなかなか増えそうにないですね。この辺が違法な民泊が増えてる要因の一つにもなっています。正規の許認可を頂くには改築費用などのコストがかかりすぎるのです。

最後に保健所に直談判に行って参りました。どうしても納得のいかない規制があったからです。旅館業法の管轄は保健所です。納得のいかない事、それは洗面所の数です。洗面所は「宿泊者5人につき”おおむね”1つ設ける」となっているらしいです。これは都道府県の条例で決まっていて、地域によっても基準はさまざまなのですが、僕の地域では5人に一つが基本みたいです。そこで2メートルのカウンターに丸いボール型の小さな洗面台を3つ並べて許可をもらっていた(正確には許可がもらえる見込みだった)のですが、同じ都道府県内で別のゲストハウスの案件がありまして、そちらは2つでOKみたいなんですよね。これは「おかしいだろ!」ってんで、保健所に殴り込んだわけです。

アイカの洗面台

だって、直径35センチの小さな洗面台ですよ。顔なんか洗ったらまわりベチョベチョになるでしょ。普通のサイズの洗面台を2つ並べた方が断然、利便性も上がるしコストも抑えられる。洗面台3つなんて誰が得するの? 1日の宿泊者なんて、せいぜい4〜6人なのに洗面台が3つも必要なの? 必死の説得の結果、2つでOKになりました。言ってみるもんですね。

洗面台の数は2つでOKになったのだけど、保健所では代わりにいくつか指摘を受けました。水質汚濁防止法の届けでが必要だとか、極めつけは洗濯です。ベッドなどシーツ類の洗濯はゲストハウス内でではなく、家に持ち帰ってやるつもりだったのですが、「ゲストハウスの施設内でやれ!」との事です。理由は、洗濯物を施設外に持ち出したら、伝染病などが発生した場合に拡散させる恐れがあるかららしいです。もう開いた口が塞がりません! ちゃんとしたクリーニング業者に頼むならOKだそうです。保健所には殴り込みに行ったつもりが逆にボコボコにされちゃいました(笑)。

まだまだ問題はいくつかありますが、何とか法律面はクリアできそうなので、ようやく改築工事がスタートできます。やっとスタートラインに立てたって感じですね。長かった。本番はこれからです。

 - 店主のボヤキ