四国遍路 23日目 第40番札所観自在寺(かんじざいじ)、新橋旅館
23日目は第40番札所観自在寺(かんじざいじ)を納めます。
今日は微妙な曇り空。朝7時、城辺ビジネスホテルをスタート。次の札所観自在寺の横には小学校が。集団登校の小学生と一緒に観自在寺へと向う。
ここは1番札所から一番遠い「四国霊場の裏関所」と呼ばれている。まさに折り返し地点。これからはスタート地点の1番札所へと近づいて行く。参拝を終えてトイレの横のベンチに座って休憩。ポータブルナビで現在地を確認。次の札所龍光寺(りゅうこうじ)までは50km。これまた長い道のりです。観自在寺を出て国道56号線を歩く。
午前10時、海が見えた。これで太平洋ともサヨナラです。次に見るは瀬戸内海。
しばらく歩くと柏の郵便局前。ここから峠道へと入っていきます。近くにはラーメン屋と休憩所。そしてその休憩所で野宿お遍路Iさんと再会。峠道に備えてカマボコをかじって腹ごしらえしてました。「僕はそこのラーメン屋で食って行くよ。」時間は午前10時40分。かなり早い昼食です。四国なのに「サッポロらーめん」?。フランチャイズ店みたいで、この後も何件か見かけた。ラーメン定食をいただく。「あっ!ナビがない。」ここでポータブルナビがなくなっている事に気が付いた。
観自在寺で出したっけ。ベンチの上に置き忘れたらしい。観自在寺へ電話する。「ナビの忘れ物ありませんでしたか?」「いえ、ありませんけど。」・・・なかった。取られたか?「もし出てきたら連絡ください。」仕方ない、タクシーで戻ろうか? しかし、ナイって言ってたし・・・。迷った挙句、先に進む事にした。あったら電話をくれるだろう。ラーメン屋を出る。休憩所にはまだIさんがいた。かなりゆっくりしてるな。ここから峠道へと入っていく。
ここの峠道は柏坂へんろ道と言うようだ。昨日の松尾峠と違って緩やかな峠道です。
柳水大師・・・
清水大師と通り、峠道を抜ける。
途中、ビニールハウスでおばちゃんから冷えたジュースのお接待を受けた。「愛媛県には愛がある。」 お遍路さんの為にいつもジュースを冷やしてるんだとか。一気に飲み干す。空き缶は峠道を抜けた自販機の回収箱に捨てた。しばらく歩き国道56号線に戻ると、小さいお店に休憩所。近くのAコープは閉まっていた。休憩所で休んでいると店の人がお茶を持って来てくれた。「暑いですね。お茶でもどうぞ。」なんか動きたくなくなってきた。あっ! ナビはどうなった?! 峠道では携帯は圏外。ここでもう一度、観自在寺へ電話をする。「トイレの横のベンチに置き忘れたと思うんですけど?・・・」「いえ、見つからないですね。」・・・ なくなったな。ここで完全に諦めた。買って一年。派遣で大分、愛知と仕事した。その時に活躍してくれたナビ。短い間だったけどありがとう。そうこうしていると野宿お遍路Iさんが休憩所に到着。
「途中、ジュースをもらわなかった?すぐ飲んでいいものか迷ったよ。」とIさん。
「すぐ飲みましたよ。おいしかったですね。」
「みかんといよかんのミックスジュースだったけ。空き缶、少し行った自販機で捨てたでしょ。覗いたらあったんで。みんな考えることは同じなんだなあって。」
ここでナビをなくした事を愚痴った。
「ナビを観自在寺でなくしちゃってさあ。ショックだよ。」
「そうなんだ~・・・。僕もナビ持って来てて、歩いた記録を取ってるんだけど。」
リックに付いてる小型のナビを見せてくれた。その日歩いた距離などが記録できて外国製で5万円程度したそうだ。日本語版はもっと高いらしい。電源は乾電池。電池を食うのが難点なんだとか。
「今日の宿はどこ?僕はやすらぎの里に温泉だあるみたいなんで、そこらで野宿する予定なんだけど。」
「僕は素泊まりで新橋旅館に予約した。高知で三日連続で鰹のタタキが出てきてさあ。さすがに飽きちゃって、それから素泊まりで泊まるようにしたんだ。」
ここから旅館までは1時間程度。長いく休憩してしまった。湯のみをお店に返す。「ありがとうございました。おいしかったです。」Iさんを残して歩き出す。旅館までもう少し。
午後4時頃、新橋旅館に到着。荷物を降ろす。するとリックのサイドポケットに・・・
ナビが入ってるではないか! こんなところに入れてたんだ。観自在寺には迷惑をかけたな。でも見つかってよかったよー。今日の旅館は素泊まりなので、夕食を買いに近くのサークルKに。弁当と朝のパンを買って旅館に戻っていると、Iさんとすれ違った。今日も宿泊客は一人だけ。梅雨に入って歩きのお遍路さんは激減してるようだ。ゆっくり風呂に浸かって本日も終了です。
*このブログは四国遍路の回想記です。記憶違いで若干事実と違っている場合があります。