四国遍路 31日目 第54番札所延命寺(えんめいじ)~第58番札所仙遊寺(せんゆうじ)宿坊
山道を登り午後4時30分に仙遊寺の山門に到着。ここから本堂までがまた長い。長い階段を歩き、ようやく本堂に登頂。一足早くDさんが参拝されていた。参拝を終えると4時55分に。ヤバイ! 急いで納経所へと向う。今日はここの宿坊にお世話になります。精進料理と天然温泉のある宿坊でかなりお勧めです。ここの納経所は本堂の中にあります。「宿坊を予約してたんですけど・・・」ここの住職の奥さま(?だぶん)が対応してくれた。とても感じのいい方です。「お部屋にご案内いたします。」と僕とDさんを案内してくれた。Dさんもここの宿坊に泊まるらしい。ここには洋室と和室がある。僕は洋室、Dさんは和室を選択した。部屋に荷物を置いてとりあえず温泉に浸かる。Dさんが先に入っていた。「ここのシャワー、お湯が出ないよ。」とDさんから声を掛けられる。そんな事はナイだろう。お湯が出るまで少し時間がかかった。
「どちらから?学生さん?」とDさん。何故か遍路中は若くみられた。
「いえ、もう37になるんですよ。佐賀県から来ました。」
「通しで打ってるの?それにしては日焼けしてないね。」
「ちょっと肌が弱いもんで日焼け止め塗ってるんです。日に焼けると真っ赤になるもんで・・・。」
お遍路には日焼け止めは必需品。晴れの日は常に菅笠を深くかぶって歩きます。体質なのかきれいに日焼けしたことがありません。少し会話して風呂を出る。
今日の宿泊はDさんと二人だけ。午後6時30分、Dさんと夕食をいただきます。
「明日はどこに泊まるの?僕は62番の宝寿寺(ほうじゅじ)近くの宿に連泊する予定なんだけど・・・。」
第60番の横峰寺(よこみねじ)は山寺で離れた所にポッツンと建っている。先に61,62番と打って伊予小松駅前で一泊し、次の日に横峰寺に登って打戻りでもう一泊。この方が荷物も宿に置いて横峰寺に登れるし効率もよさそうだ。いい話が聞けた。後で部屋に帰って検討しよう。
ここの料理は評判どおりのおいしい精進料理でした。四国遍路中には、何件か宿坊に泊まったけど、精進料理を食べられたのはここだけです。話も盛り上がりDさんからビールのお接待をいただきました。ひさしぶりのビールは格別です。食事を終える。洗濯をしたかったので洗濯機の場所を聞いた。すると「コインランドリーの前の通夜堂に一人お遍路さんが泊まってるので、お風呂どうぞと伝えてもらえますか?」と奥さま。「分かりました。」とコインランドリーへ。が・・・ 通夜堂を覗くが誰もいなかった。どこに行ったのだろう?「いませんでしたよ。」と奥さんに伝え部屋にもどる。ここの宿坊には今治の街を展望できる広間がある。その広間でご住職が空手を教えていた。ここのご住職は子供に空手を教えている。とても活動的な方で「遍路道を世界遺産へ」との運動の発案者でもある。
部屋に戻り食堂でCさんに教えてもらった横峰寺へのコースを検討。同行二人の地図を広げる。そこにも同じ様に「雨天の際は危険大。国道11号を61~63と打って、横峰寺打戻り」と書いてあった。妙雲寺(みょううんじ)の前を通る遍路道は相当険しいようだ。しかし、車の遍路道を通ると、かなりの遠回りとなりそう。明日の天候を見て決める事にした。そしてもう一度温泉に。そこにはDさんが先に入っていた。「部屋にはトイレが付いてなかったよね。」「いえ、洋室にはユニットバスが付いていましたよ。」どうやら和室にはトイレが付いていないようだ。廊下を出てすぐ横にトイレはあるのだが・・・。Dさんにトイレの場所を教える。
そして、広間へ。そこからは今治の夜景が見えました。就寝。
*このブログは四国遍路の回想記です。記憶違いで若干事実と違っている場合があります。