みちしるべ2

元トヨタ期間工が田舎でゲストハウスを経営!日本でゲストハウスは馴染まないのか?

フォークリフト技能講習4日間(期間満了者対象) – トヨタ自動車

     期間工の愚痴

フォークリフトの免許を取得するには、学科1日、実技3日の4日間の講習を受けなければなりません。受講時間は法令で決まっているので、受講を一日でも休むと不合格となります。遅刻、早退でも同様です。なお、不合格だと受講費用も自己負担となってしまいます。期間満了しても講習が終わるまでは気が抜けません。

寮バス停

講習会場までは寮からバスに乗る。自宅通勤者は寮までクルマで来てバスに乗り換える。7:35発のバスに乗り工場へ。バスは一般社員も乗る通常の通勤バスだった。講習会場はトヨタ工場の敷地内にある。工場のバスターミナルに着くと、仕事に来ている社員はバスから降り、講習の受講者はそのまま降りず講習会場までバスで移動します。工場へは社員証がなければ入れないので、このバスに乗り遅れると講習を受けられません。今回の受講者は4人でした。


1日目 学科講習 8:00~14:35
一日目は学科講習です。講習の会場は工場の外に建てられたプレハブ小屋だった。ぶ厚いテキストを渡される。これを一日で学ぶのかと少し不安になる。学科の内容は大きく分けて「荷役」「力学」「法令」の3つに分けられている。講習時間はそれぞれ法令で決められていて、荷役が4時間、力学が2時間、法令が1時間の講習を受けなければならない。学科講習が終わると試験があり、合格しないと次の実技講習を受けられない。

フォークリフト運転士テキスト

学科講習は教官が一方的に話す感じで進んだ。しかし、力学の授業に移ると、力のつり合いや質量の計算などの練習問題があり頭が痛くなる。中学レベルの内容なのだが久しぶりに頭を使った感じがした。最後の法令は今までの所とダブっている所も多く楽勝だった。テキストこそ厚いが、試験に出るところを掻い摘んで教えてくれるので「ここ試験に出るよ」と、答えを教えてもらっているようなものだ。講習が終わると少し復習の時間を与えられ、いよいよ学科試験だ。

学科試験の配点と合格基準

学科試験はマークシート形式の3択問題で、荷役が15問、力学が10問、法令が10問と全部で35問。1問2点の70点満点だ。60%の正解で合格となる。試験問題は「ここ試験に出るよ」と言われた所がまんべんなく出題されていた。引っかけ問題などもなく、まじめに講習を受けていればわかる問題ばかりだった。まあ、学科試験で落ちる人はいないだろう。試験が終わると、すぐに採点が行われる。

「今日は優秀だな。全員60点以上だよ」と無事に4人全員合格だった。めでたく明日以降の実技講習に移れる。このあと修了証用の写真を撮って本日は終了。一日中、机に座っていたので尻が痛くなりました。

2日目 実技講習1日目 8:00~17:50
二日目からは実技講習だ。「今回は4人しかいないので、いっぱい練習できてラッキーだな!」と教官。実技講習は一度に10人でやるのが普通らしい。ひととおりフォークリフトの操作方法を学び。あとは走行練習をした。

試験コースとなるS字クランクを前進とバックで5回ほど走る。「目標はタイムは3分以内」ってことだったが、2回目にはクリアできた。自宅通勤者の強みが出た。ふだんクルマに乗り慣れていない他の受講者も多少手こずるが、5回目までにはみんな目標をクリアできた。これで午前の講習は終了だ。「本当は一日目の実技講習はここまでなんだけど、午後からは二日目のメニューをやるよ!」と教官。4人だとかなり早く終わってしまうようだった。

実技講習では1台のリフトを受講者が交互に乗って練習する。本来は10人単位でやる講習なので4人だと進むのが早い。「今日はやれるとこまでやる」と教官はやる気満々だった。午後からは荷を積んでのS字クランクの走行練習をひたすらやらされた。さすがに飽きる。実技の講習時間は法令で定められていて合格には24時間以上の実技講習が必要となる。4人の講習だとかなり時間が余るようだ。かれこれ15回ほど練習して本日は終了。

3日目 実技講習2日目 8:00~17:50
実技講習2日目は、前日の続きで荷を積んでのS字クランク。2時間ほど練習して次に進む。次はいよいよパレットの積み下ろしを練習する。まずは2段重ねのボックスパレットの上のパレットを取って、再び上に重ねて載せる練習をする。教官いわく「実技の試験コースは、以前はボックスパレットでやっていたが、今は平パレットでやっている」との事。しかし、トヨタの実務ではボックスパレットを扱う場合が多いので練習していて損はないとの事だった。それとボックスパレットは重ねる時に4本の足をきちんと合わせないといけないので、平パレットより難しい。「これが出来たら平パレットは楽勝だよ」

午後からは平パレットで練習する。台に載った平パレットを取ってバックでS字クランクを抜けて、折り返し、再び前進でS字クランを抜けて、元の台に平パレットを戻す。目標タイムは6分。「これが最終テストのコースです!」と教官。「今日の残り時間と明日はテストまで、ひたすらこのコースの練習だーー」

テストコースの平均タイムは6分前後。10人で講習する場合だと1時間に1回ぐらいしかリフトに乗る順番が回ってこない。「普通はこのコースで5回ぐらいしか練習できないんだよ。お前らラッキーだな!」

コースの難易度はと言うと1回目は教官に横で指導されながら7分程度。2回目で6分を少しオーバー。3回目以降は6分を切って回れるようになった。みんなも目標タイムをクリアしている。この日だけで10回以上テストコースを練習することができた。「明日も1日、テストコースで練習だ!(教官)」まだ、やるのか!

4日目 実技講習3日目 8:00~17:50
そして最終日をむかえた。小雨が降っている。「夕方、暗くなるが早いので少し早めに最終テストをしようか。それでも、6時間は練習できるぞ!」と教官。長い一日が始まった。すでに、みんなが目標タイムはクリアしていたのでモチベーションが上がらない。こうなるとタイムトライアルだ! 誰が一番早く4分の壁を破れるか競争になった。早く時間がたたないものか・・・

午後3時の休憩のあと、最終テストの採点表が配られる。実技講習の試験は、減点法で30点以上減点になると不合格になる。一番大きいな減点がタイムオーバーの-31点で即不合格。次に大きいのがコースからの脱輪、障害物に接触などで-5点。他にも細かく減点項目が決められている。

「タイムは問題ないし、見た所、大きな減点もないのでみんな大丈夫だろう」と教官のお墨付きが貰えた。試験は暗くなる前の4時20分頃から始める事となった。まだ、1時間ほど練習が出来る。ここからはタイムトライアルから一転、減点項目がわかり、みんな慎重な運転に変わる。皆さん、現実的でいらっしゃる。

そしてようやく実技試験となった。緊張した空気が張り詰める。テストコースの制限タイムは9分なので、みんなスピードを落として慎重な運転で試験に臨んだ。さすがに何回も練習しただけに大きなミスはなく無事に終了。「はい、皆さん合格です。おめでとう」4人みんな合格でした。

試験後はボックスパレットの積み下ろしを時間まで練習して講習が終了。修了証は後日郵送されてくるとの事だ。無事にフォークリフト免許が取れました。

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