みちしるべ2

元トヨタ期間工が田舎でゲストハウスを経営!日本でゲストハウスは馴染まないのか?

甲州自転車道中 3日目(河口湖駅~大月駅~甲府、昇仙峡)

     甲州自転車道中

甲州街道自転車の旅3日目は河口湖近くのホテルからスタート。今日は甲府、昇仙峡まで走る予定だ。昨日は大月駅より輪行して河口湖駅までやってきた。自転車で河口湖を一周する予定でいたが、雨のためにあえなく断念。雲で空は覆われ富士山はまったく見れませんでした。何をしに河口湖まできたのか? しかし、今日は・・・

(1)朝、起きて窓の外を見てみると、ガラス越しに薄っすらと三角のシルエットが見える。ホテルの部屋から富士山が見えるって事だったので、窓を開けベランダに出ると、その三角のシルエットは隣の家の屋根だった。僕の部屋はホテルの2階、景色は全然見えない。さらに、空は少し曇っている。結局、富士山は見れないのか?

河口湖駅周辺
河口湖駅~大月駅

6:40 ホテルを出て、河口湖駅に向けて自転車を走らす。「朝富士通り」と通り標識が目に入る。間違いなくここは富士山の絶景スポットだ! しかし、富士の姿は見当たらない。
え~ん! タダ来ただけで終わるのか?


河口湖駅と富士山1

(2)6:52 河口湖駅に到着する。すると駅のバックについに見えた。富士さ~ん! 雲の中からヒッコリと顔を出していた。

河口湖駅と富士山2

う~ん、感無量。最後の最後で富士の姿を見る事ができた。あとで地図を確認すると、富士山の位置は、ホテルから河口湖駅に向う方向とは真逆の方向だった。自転車をこぎながら、横は見たが、後ろを振り向くことはしなかった。

ヤマノススメ富士急行のパネル 富士急行線の電車

さて、ゆっくりはしてられない。アニメキャラのパネルの横で自転車を輪行袋に押し込める。電車にもアニメキャラが・・・ こういうのをイタイと言うのだろうか。駅には、ほかにも富士急行の名物電車が停車中だった。

富士急行トーマスランド号
子供に人気のトーマスランド号。

富士急行の富士登山列車と富士山
着席券が必要なモダンレトロな観光列車、富士登山列車。

昨日乗ったフジサン特急など、富士急行線の車両はなかなか楽しませてくれます。7:18発の電車に乗り河口湖駅をあとにする。さようなら、河口湖、富士山! 一路、甲州街道へ。

大月駅から甲州街道の旅スタート

(3)8:11大月駅に到着。自転車を組み立て甲州街道の旅へ戻る。今日は甲府柳町宿まで走り、そのあと昇仙峡まで足を伸ばす計画だ。少し急ぐぞ! 午後1時に甲府駅に到着するのを目標に自転車を走らせる。国道20号に出て、しばらく走ると大月追分。大月追分のT字路には「右甲州街道、左ふじみち」の道標があるとの事だが、勢いよく通り過ぎてしまい確認できなかった。急ぎすぎだ! 大月追分を過ぎて花咲宿へ。

下花咲宿本陣跡の星野家住宅

(4)8:40 駅を出て10分ほど走り、下花咲宿本陣跡の星野家住宅。ここから笹子峠の登り口まで国道20号をひたすら走る。旧甲州街道は何度か国道から離れるようなのだが、ガイド本に載っている地図では分かり図らかったし、急いでもいたので国道を行くことにした。

大月宿~笹子峠
大月宿~笹子峠

道は笹子峠へ向けて少し登りになっていた。笹子川に架かる橋を何度か渡る。国道20号は笹子川を縫うように走っている。

中初狩宿本陣 中初狩宿の町並み

(5)9:03 中初狩宿本陣前を通過。初狩宿を過ぎると住宅も少なくなり単調な山間の道に変わる。今日は天気もよく、多くのロードバイクの走る姿が見られた。その中で坂道をママチャリを押して登る旅人を発見。自転車に積まれた荷物には「日本一周中」と書かれていた。いろんな人はいるもんだ。

笹子峠
笹子峠の峠道

白野宿、阿弥陀街道宿はすでに抜けたのだろうか? 国道沿いには街道の面影は残っていない。国道20号は緩やかに登る山間の単調な道だった。笹子駅前を通過。もうすぐ笹子峠の入口だ。

笹子峠への入口 笹子峠の峠道

(6)9:50 国道20号はUの字にぐるっと曲がる。そこから左に入り笹子峠の峠道の登り口へ。笹子峠の峠道は全面舗装されていてクルマでも通ることが出来る。笹子峠は標高1,096メートル甲州街道最大の難所である。

矢立の杉への自然遊歩道 笹子自然遊歩道

(7)10:19 舗装された道をエッチラオッチラ登って行くと、矢立の杉への自然道が現れる。さて、ここからは自然道を歩く。矢立の杉は、戦に赴く武士たちがこの杉に矢を射立て山の神のたむけとしたと言われ、県の天然記念物に指定されている。

矢立の杉への自然遊歩道2 明治天皇御野立跡 矢立の杉の手前

矢立の杉への自然道は整備されて歩きやすい。10分ほど歩くと石垣が現れる。三軒茶屋跡、明治天皇御野立跡を過ぎ、約800mほど歩けば矢立の杉だ。

矢立の杉1

(8)10:40 矢立の杉の手前で道は階段となる。「杉の保存のため、穴には入らないでください」との注意書きが書かれていた。最初、意味が分からなかったが、矢立の杉の中は空洞になっていて「中に入るな!」って事だった。

矢立の杉2
幹の中は空洞だが枯れずに生きている。その生命力には感服だ。

矢立の杉から舗装路へ
矢立の杉から100mほどで舗装された道路に出る。

笹子隧道1 笹子隧道2

(9)11:07 笹子隧道に到着。昭和33年、新笹子トンネルが開通するまで、笹子隧道は長野辺りから東京までの幹線道路としての役目を果たした。洋風建築的な装飾が特徴的だ。ここが笹子峠のほぼ頂上でトンネルを抜けると道は下りへ変わる。

甲州街道峠道の道しるべ

すぐに、左に下る旧街道の道しるべ。しかし、時間も無いので舗装路を下ることにした。

笹子峠からの眺め1 笹子峠からの眺め2

トンネルを抜けると視界が開け甲府盆地を囲う山々が現れた。景色は最高!! 一気に駒飼宿へと下って行く。

駒飼本陣跡 駒飼宿の町並み1 駒飼宿の町並み2

(10)11:35 駒飼宿陣跡。この先をすぐ左に曲がると狭く急な下り坂。一気に下って、中央自動車道の高架を潜ると国道20号に合流する。この辺りが鶴瀬宿か?

笹子峠~石和宿
笹子峠~石和宿

大善寺前を通過 大和町マンホール

11:53 国道20号を走り大善寺前を通過。この先で旧街道は国道から分かれるのだが、そのまま走って勝沼バイパスに入ってしまった。中央自動車道の勝沼ICを過ぎた先の交差点を右に曲がる。ぶどう園と直売所に挟まれた道を走り、無事に旧甲州街道に戻ることが出来た。どの直売所も人でいっぱいでした。

槍掛けの松 勝沼宿の三階建ての蔵 旧田中銀行

(11)12:03 甲州街道に戻ってすぐに勝沼宿本陣跡の槍掛けの松。少し先に三階建ての蔵が建っている。修復などされていないらしくボロボロだ。さらに少し行くと旧田中銀行。モダンな洋風建築が国の登録文化財として公開されている。つづく栗原宿の街道沿いには昔の面影は見られなかった。

石和温泉駅の道しるべ 遠妙寺 一宮町マンホール

(12)12:35 笛吹橋を渡り左へ。少し行くと石和(いさわ)温泉駅の道しるべがあり、その道を行くと遠妙寺の交差点に出る。石和の町はきれいに整備された町並みだった。

石和宿本陣跡の碑 石和町マンホール

(13)12:45 少し行った右手に石和宿本陣跡の碑。案内板には「大火により消失し現在土蔵一棟のみ現存」とあった。後ろに見える蔵がそれかな? しかし、この金網、どうにかならんかったのか!

甲府市周辺、昇仙峡
甲府市周辺、昇仙峡

(14)石和宿を抜けると、いよいよ甲府市に突入だ! 甲府の街中の街道は城下町らしく防衛のためにカクカクと直角に曲げられている。善光寺の参道の前に一つ。金手(かねんて)駅の近くにもう一つ。そのようは道の構造を枡形とか曲尺手(かねんて)という。どうもそれが地名になっているようだ。

ガイド本には、NTT甲府支店西交差点付近に本陣跡があると書いたあったが、探しても見つからず。これで今日の甲州街道の旅はおしまい。

ここからは甲州街道を離れ、全国観光地百選「峡谷の部」第1位の景勝地、昇仙峡へ。まずは、甲府駅へ向う。午後1時に到着が目標だったが…

武田信玄公の像 甲府駅

(15)13:27 予定より30分遅れで甲府駅に到着。武田信玄公が迎えてくれました。ここから昇仙峡へは片道15キロ程度。2時間もあれば着くだろう。甲府駅の横を抜け、県道6号を西に走る。千塚交差点から昇仙峡ライン県道7号へ。

昇仙峡ラインを少し行ったところのローソンで休憩。ここらから緩やかな登り坂となる。勾配はそれほどでもないがダラダラと登りが続く。今日は晴れたは良いが気温が上がって体力が奪う。ここは、気合だ! 頑張って登る。笹子峠を越えたあとだけに疲れていた。「駐車場まで10キロ」との案内が目に入ってくる。え~、ここまで結構登ったのに、まだそんなにあるの? 昇仙峡まで足を伸ばした事を後悔し始めたころ・・・ それほど走らずに昇仙峡の入口に辿り着いた。何が10キロだよ!

昇仙峡の入口

(16)14:32 甲府駅から走ること約1時間、昇仙峡に到着。すぐに無料観光案内所がある。しかし、観光客の姿はほとんどなく静かだった。「自転車で登ってきたの? 今日は上まで自転車でいけるよ。」と案内所の人が教えてくれた。

長潭橋1 長潭橋2

(17)少し行くと長潭橋(ながとろばし)が見える。橋をバックに記念撮影をしていると、「昇仙峡につきました~」と隣の売店のおばちゃんが声を掛けてきた。「ちょっと休んでいって!」と売店に招かれる。暑さでバテ気味だ。すると、おばちゃんが冷たい麦茶をもって来てくれた。うまい、めちゃくちゃウマイ! やっぱ、夏は麦茶かな。

昇仙峡の峡谷の岩1 昇仙峡の峡谷の岩2

長潭橋を渡ると急に観光客が増える。どうもここまでクルマで来る人が多いいようだ。さらに先までクルマで行けるが、ここから先は道が狭くなり一方通行となっている。渓谷に沿って道は続き、川には上流特有の大きな岩がゴロゴロとひしめき合っている。

昇仙峡の岩峰
見上げれば高くそびえる岩峰。しばらくハイキングコースが続き・・・

(18)やがて、お土産屋や民宿が現れる。そこは観光客でごった返していた。どこから沸いて出てきたのか? 閑散としていた入口からは考えられない人混みだった。ここからは自転車を降りて押して歩く。もう少し先までクルマで行けるが・・・

お土産屋のおっちゃんが「この先、自転車は通れんようになるよ。ここに置いて行き!」と声を掛けてきた。お土産屋の駐車場に自転車を停めさせてもらい散策スタート。実はここからが昇仙峡の真骨頂。ここまでは序の口です。

覚円峰 覚円峰と渓谷

15:30 昇仙峡のシンボル的存在、覚円峰(かくえんぼう)。白くそびえる岩峰は高さ180mもある。覚円と呼ばれる僧が座禅を組んで修行したと言われている。

昇仙峡の渓谷 昇仙峡の渓谷2

進むにつれ道が狭くなる。渓谷を見下ろしながらのぼり、見上げれば空高くそびえる石峰。どこを切り取っても絶景です。

昇仙峡の石門

(19)15:40 石門まで来ました。仙娥滝(せんがたき)までもう少し。しかし、昇仙峡の入口からすでに約1時間。これからそれを戻り、甲府市内のホテルまで行かなければならなかった。空も少し曇ってきた。それに昇仙峡は十分に堪能できた! 滝まで行きたかったが、ここで戻ることにしよう。

15:55 自転車を置かせてくれたお土産屋まで戻ってくる。おっちゃんから「どこまで行った? 疲れたろう。少し休んで行きーー」と声を掛けられた。自転車を置かせてくれた手前、断れず、店の中の入る。

昇仙峡のカキ氷 お土産屋のテラスより

店の奥はちょっとしたカフェテラスとなっていた。カキ氷を食べ、しばし休憩。そこから見る景色もカキ氷も最高でした。

(18)16:10 食べ終え店を出る。すると、おっちゃんが「ありがとな! 自転車はすぐそこで左に曲がるんやでーー」と教えてくれた。どうやら僕が走ってきた道とは別に道があるようだ。おっちゃんに言われたとおり、少し下ったところで左に曲がると立派は広い道路に出る。そこにはお土産屋と、その駐車場にはギッシリとクルマが停まっていた。なるほど、急に増えた観光客はここから沸いて出ていたのか!

昇仙峡グーリーンラインの見晴らし台より

こんな道があったとは・・・ トンネルをいくつか潜り、甲府市内へと一気に下っていく。途中、見晴らし台から甲府市を一望できた。約30分ほど走ると甲府市内に戻ってくる。1時間以上は掛かると思っていたが、随分と早く戻ることが出来た。これだったら仙娥滝まで見てくれば良かったよ! と少し後悔した。

が、気を取り直し。折角、早く戻れたので、予定にはなかった武田神社に行くことにした。武田神社には、甲府駅から北に真っ直ぐな参道が伸びている。緩やかな登り坂だ。さすがに笹子峠、昇仙峡と走ったあとで疲れていた。横をママチャリのおばちゃんが涼しい顔して追い越していく。「ウソだろーー!」と思い、よくよく見たらママチャリにはバッテリーが付いていた。恐るべし、電動アシスト自転車!

武田神社1 武田神社2 武田神社3

(20)16:59 武田神社に到着。武田神社は甲斐の英雄・武田信玄公を祀ってある。ご利益は「勝運」ということで多くの絵馬が奉納されていました。

舞鶴城公園前

17:23 甲府駅近く舞鶴城公園前まで戻る。舞鶴城とは甲府城の別名で甲府城跡の一部が舞鶴城公園として開放されている。空は曇り、ポツリと雨が落ちてきた。さて、ホテルに向うか。

17:40 ホテルクラウンパレス甲府に到着。少し早い終了となりました。明日は、甲府から中山道との合流地の下諏訪宿へ。いよいよ甲州道中の旅の最終日となります。

注)この記事は甲州道中の自転車旅から帰った後に書いております。

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